-退魔師 柊葵-


「ん、ぅん……」
 目を覚ました葵が見たのは奇妙な光景だった。
 赤い。
 見渡す限りのアカアカアカアカ
(何よ、これ……)
 葵が最初に抱いた感想はそれだった。
 薄暗いその空間に出口は見えない。それどころか、薄暗いながらも視界を利かせている光源がどこにあるのかすらもわからない。
 周囲の壁は、まるで生きているかのように定期的に脈動する。よく見れば、その質感は内臓のそれによく似ている。触っていて気持ちのいい感触ではない。
 少なくともマトモな場所ではない。そう思って葵はようやく自分の置かれた状況を思い出した。
(私、悦楽の欠片に……)
 無双。
 天災を超えるモノ、絶対存在、神の雛形、究極の更に上。
 様々な異名で呼ばれるソレは様々な土地で信仰される、神という存在の元となったものとされている。
 無数に存在する世界の中に八柱のみ存在するソレは、術士からすれば憧れでもあり、畏怖の対象でもあるが、それ以上に、伝説上の存在といったイメージの方が強い。
 乖乱、放浪、悦楽、転生、深淵、放縦、奔放、統世。
 八柱の無双はそれぞれそういった名で呼ばれている。諸説あるが、それぞれ最も有名なのはこの呼称だろう。あるいは、同種ともされる放縦と奔放の無双を双条の無双という呼称で一つに括ることある。
 彼らはその存在の一挙手一投足が世界に大きな影響を与える。そしてそのことを彼ら自身も理解している。
 そのため、彼らはその絶対的な力と比べてしまえば驚くほどにその行動を制限される。
 だがそれでは面白くない、そう考えた双条の無双があるモノを作った。
 自身の似姿、もう一つの自分。
 それが無双の眷族、欠片である。
 無双本体には及ばないものの、一般の術士からしてみればそれでもまだ非常識なほどの強力な存在だ。
 その力は葵が実感した通り、まさしく格が違う。それは術士としての違い以前に、ヒトと欠片という、生物としての格の違いである。
 無論、本体の無双ごと、あるいはそれが同じでも各欠片ごとにその能力には違いがある。常人以下の能力しか持たない者すらもいるというが、悦楽の欠片の第二片、信楽は最低でも高位の憑巫よりましと同等の能力を持っているのは間違いない。
 乖乱は戦いを、放浪は流離を、転生は変化を、深淵は居場所を、双条は自由を、統世は秩序を求む。
 そのようなことが言われている。欠片はそれぞれ異なる心を持ちはするものの、根底となる部分は同じ、それ故に近しい思考体系を持つのだという。
 では、悦楽は何を求むのか。
 享楽だ。
 それを得るための方法は様々というが、その主たるものは性的快楽である。
 無双を七つの大罪にそれぞれ当てはめる考えもあるが、この場合、悦楽の無双は淫蕩の大罪に当てはまる。
 そんな存在に捕まった以上、どのような仕打ちが自分を待っているのか、葵は想像したくもなかった。
 幸いというべきかはわからないが、葵の身体を縛るものはない。それを確認して、葵は気付く。紅白二色の和装、神社の巫女のような装束を着ていることに。
「ようやく目が覚めたか」
 声が聞こえて振り返ると、そこには青年――悦楽の欠片、信楽の姿があった。
「ッ……《鳴神》!」
 得物を呼び出そうとするも、何故か術式が発動しない。
 戸惑う葵に信楽が声をかける。
「ここは私の領域だ。お前は私が許さない限り術式を使えない」
 異法域という言葉が葵の頭をよぎる。
 自身の干渉力で周囲を満たし、制御することでその空間を掌握する神格級の空間操作術式である。
 その領域内部での干渉力の流れや物理法則は、その主の思うがままに変化する。まさにその者の領域。
 数センチ四方の空間でも実際にそんなものを使えるのは空間制御を得意とする一部の高位術士くらいなものだが、目の前にいる常識外れはこの閉鎖された空間を掌握しているのだろうと葵は思う。それが欠片の異常性の一端だ。
「それで……私をどうするつもり?」
「どうするか、と? また妙なことを聞くな。言ったろう、お前には私のモノとなってもらうと」
 当然のことのように信楽は答える。その答えは葵も想像していたものだった。
「お前の慰み物になるくらいなら私は、死を選ぶ!」
 大きく口を開いた瞬間、周囲の壁から粘音が聞こえる。
 葵の歯が、その舌を噛み切る間もなく、壁から突如として湧き出した触手がその口に入り込み、葵の自害を阻止した。
 それに連動するように、無数の触手が葵の四肢に絡みつき、拘束する。
「あぁ、一つ言っておくが、舌を噛み切るのはやめた方がいい。意味はないし、窒息は苦しいと聞くしな」
 当然だろう、と思いつつも、信楽の言葉の意味に葵は気付く。
「私はお前を死なせるつもりはない。安心しろ」
 安心などできようはずもない。
 要は、自害は無意味と、そう言いたいのだろう。そもそも、自害を防ぐだけならば異法域の制御を使えば済む話なのだ。
「くっ……」
「これから何をするか、お前に伝えておこう。月並みで風情がないが、お前を調教する。性玩具、性奴隷……いや、何か違う。趣深い単語が思いつかなくて悪いが、ともかくお前を私のモノとするためにな」
 予想はしていたことだったが、実際にそう告げられると恐怖心は生まれる。
 この神格の干渉力を持ってすれば、瀕死の葵をすぐさま快復させることも容易だろう。
 そしてこの状況下において、死、という選択肢を選べないということは恐ろしいことだった。
 だが、そんな内心を信楽に見られるわけにはいかないと、葵はせめてもの強がりを口にする。
「父も祖父も強力な術士よ、私が今回の失踪事件を調べていたことも知ってる。私がいなくなったことに気付けば調査もされる。それまで耐えれば私の勝ちよ」
 そこまで一気に言い切って、信楽を睨みつける。
 実際は父や祖父、そしてその他の術士が束になったところでこの神格相手に傷一つつけられないだろうことは葵にもわかっている。だがそれでも、何もかもが信楽の思い通りになるのが嫌だった。
 しかし、葵の言葉に対する信楽の返答は予想からあまりにも離れたものだった。
「いいだろう」
「え?」
「その条件を呑もう」
「どういう、こと?」
 わけもわからず、思わず葵は聞き返す。
「お前が言ったことだろう? 私は居場所を変えない。ここ自体は異空間だが、その入口は空き巣でも入れるマンションの一室の中にある。そこが見付かればお前の勝ち。その場合はいいだろう、お前は解放する。ただし、それよりも早くお前が俺のモノとなることを認めれば、お前の負けだ」
 信楽の出した条件に葵は耳を疑う。
 その条件には、信楽にとって一切のメリットが存在しないのだ。
(そもそも守る気がない? いえ、絶対の自信があるんでしょうね……)
 悦楽の無双は、そういった遊びに興じることが多いとも聞いていた。それがどこまで真実かはわからないが、仮に、守る気がないのであればそれでもいい。逆に自信を持っての約束事であれば、どうあっても抜け出せないと思っていた絶望的な状況に、一縷の希望が見えたということになる。
 断る理由は存在しない。
「いいわ。でも、約束は守りなさいよ」
「無論だ。とはいえ、私も負ける気はない。始めるとしようか」
 そう言って、信楽本人が近付いてくる。触手に四肢を絡められている以上、身動き一つできはしない。
 触手の一本が巫女服の胸元をはだけさせると、信楽は現れた形の良い胸を愛撫しはじめる。
 掌から指先まで、まるで人の手は愛撫するためにこの形をしているのではないかなどという錯覚を葵に感じさせるほどの技巧に葵は唇を噛んで耐える。
 既に葵の意に反して勃起している乳首までもこね回され、視界が真っ白に染まる。瞬く間に葵は一度目の絶頂に追いやられていた。
 それを確認してか、触手が蠢き葵の体勢が変えられる。股を開いた、俗に言うM字開脚のような形だ。抵抗しようにも四肢を固定されているこの状況ではそれすらも叶わない。葵はただ羞恥心に顔を上気させることしかできない。
 金属光沢を持った鋭い触手が袴の上をなぞったかと思えば袴が切れ、葵の秘裂が露になる。胸の愛撫で昂ぶった葵の秘裂は葵の思考に反して、遠目で見てもわかるほどに湿り気を帯びていた。
「胸の愛撫だけでこうも濡れるとは。淫乱の素質がある。私の目に狂いは無かったな」
 最早、信楽の言葉に葵は返すこともできない。ひとたび口を開いてしまえば、嬌声が漏れ出ることがわかるからだ。
 信楽が空間に充溢させていた無香の媚薬が原因なのだが、葵はそんなことを知らないし、信楽にしてもそれを葵にわざわざ伝える必要はない。
「これだけ濡れていれば充分か」
 信楽の身を包んでいた衣服が粒子となって散っていく。その下から現れるのはヘソまで反り返らんばかりにいきり立った巨大なイチモツ。
 初めて見る男性のソレに驚く葵の内心など気にすることなく、信楽はその肉棒の先端を葵の淫裂へと押し付けた。葵の淫裂が淫らな水音を立てる。
 肉棒が押し込まれ、発生する違和感に葵は表情を歪ませる。
 葵の中に怒張が埋もれていく。不意に、信楽の動きが止まる。それが何を意味するのか、性知識に疎い葵ですら理解できた。
「この場合はこう告げるべきか? 頂きます、と」
 洒落なのかわかりもしない信楽の言葉に次いで、その腰が押し込まれる。処女膜をつき破り、その怒張が葵の奥へと突き進んでいく。
(思ったほど、痛……くない?)
 聞きかじった情報とは全く異なる現実に葵は驚きつつも、それ以上に恐怖を覚えていた。自分が確かに快感を感じていることに。
 色恋沙汰に疎いという葵でも、初体験には理想もあり、処女は愛した人に捧げたいという気持ちはあった。だが恐ろしいことに、処女を奪われたことに対する怒りは湧かず、むしろ身体の芯からの熱は疼くように、更なる快楽を求めてすらいる。
 信楽は一端その肉棒を引き抜くと、一気にそれを打ち付ける。
 突然の衝撃に、葵は二度目の絶頂を迎えた。
 自分の身体が快感を求めていることに愕然としつつも、その現実を否定することは出来ない。
 二度、三度と信楽の怒張が淫裂を出入りするたびに葵は毎度、絶頂を迎える。
「ひゃ、ぁっ、んっ……あんっ!」
 既に嬌声は抑えることもできない。葵の淫裂も、はじめと比べても明らかに多く、淫らな粘液を垂れ流していた。
 幾度と無く絶頂を迎えた葵は、信楽の肉棒がこれまで以上の熱を持ったのを感じ取る。
 ドクン、と。子宮が騒ぐ。もうすぐ到来する現象を心待ちにするように。
「いやっ! ダメっ!」
 言葉ばかりの抵抗はするものの、子宮は、葵の身体はそれを待ち望んでいる。
 打ち付けれた瞬間、信楽の怒張からおびただしい量の精液が葵の胎内へと吐き出された。
「ッッ!」
 言葉にならない声を上げながら、葵はこれまでで最大の絶頂を迎えた。
 あまりの快感に、葵はその意識までも飛ばしていた。





「気分は?」
「最悪よ。さっさと出してくれると嬉しいんだけど」
 問い掛けに皮肉で返すと、さぞや面白そうに信楽は笑う。
「お前が負けを認めるのであればすぐにでも放すつもりではあるんだがな」
 目を覚ました葵の身体は、気を失った時と変わらず触手に拘束されていた。異法域によって術式を使えない現状、ここから脱するのは不可能に近い。そもそも、術式が使えたところで状況を打開できるとも思えないが。
「冗談。私は負けるつもりはないわよ」
「に、しては随分と乱れていたがな。幸いなことに映像記録も残っているが、確認してみるか?」
「ッ! 随分と悪趣味ね」
「以前、羅刹にも同じことを言われたよ」
 吐き捨てるように返すと、懐古するように遠くを見つめる信楽。
「一つ、聞かせて」
「……そういう場合、往々にして問いが一つではないことが多いが、まぁいい。私が答えられる範囲のことであれば答えよう」
「お前は何故、人を襲ったの? 若い女性ばかり消えるというならわかる。でも、今回の失踪事件は老若男女問わずに発生した。それは何故?」
 葵の問いに、信楽は「ほぅ」と、微かに驚きを表した。
「この状況下においてそのような些事を気にかけるとは、想像以上の大物だな」
「お前なんかに褒められてもちっとも嬉しくないわね」
 信楽の称賛にも、葵の心は晴れはしない。
「別に隠すようなことではない。私はつい先日目覚めたばかりでな。現在の様々な情報を取り入れるために様々な人々を吸収していたに過ぎない。情報源を選り好みする必要もない。それ故にそのような結果になったというわけだ。情報だけを引き出しても構わないのだが、加えて人外を放つことでお前たちのような術士が興味を持つとも思った。女は活きが良いに越したことはないからな」
 つまりは葵は見事に術中に嵌っていたということになる。
 先日の、突然現れた触手塊にしても、信楽が転移術式を使ったというのであれば頷ける。とはいえ、何の情報も無く欠片が関わっているなどという答えを導き出すことなどできるわけもなかったのだが。
「疑問は解決したか?」
「えぇ、おかげさまで私がお前に踊らされた道化だって自覚したわよ」
「自覚は大切だ。次は奴隷としての自覚でも持ってもらえると嬉しい……では始めよう」
 信楽の言葉に従い、肉壁から更に多くの触手が生え出す。
 粘液を纏ったもの、キチン質で覆われているようなもの、ヒトのイチモツとそっくりなもの、先端が針のように尖ったもの、透明な管のような形をしたものなど、多種多様な触手が葵の周囲を覆いつくす。
「それでは後は若い者たちに任せて……」
 告げて、信楽の姿が見えなくなる。自分が置かれた状況に葵は改めて恐怖を感じた。
「ひっ……」
 信楽は、恐ろしい相手ではあるが理性もあり、会話自体は可能な存在だ。解放を望んだところで聞き入れられるというものではないものの、それでも意思疎通が出来る存在であることは葵の恐怖を、当人も理解しないままに和らげていた。
 だが、今目の前にあるのは無数の触手のみ。そして、それらが何のために存在するのかということを、葵は肌で感じ取っている。
「ぃゃ……嫌、イヤよ!」
 葵の叫びが聞き届けられることはなく、触手はあえて恐怖心を煽るかのようにゆらりゆらりと葵へと迫ってくる。
 四肢を拘束している触手が蠢き、葵を肉床へと下ろす。湿った床の感触にも、嫌悪感を覚える余裕すらない。
 両足に絡みついた触手が、葵の股を本人の意思とは裏腹に開かせていく。
「やめて、ねぇ、やめてよ! ねぇ!」
 無数の触手の中から、一際太い一本の触手が姿を見せる。三十センチほどもあるソレの先端は平坦になっており、四本の細い触手が更に生えていた。
 その触手が隠すもののない葵の淫裂に押し当てられると、四本の細い触手が葵の足の付け根に固定するように絡みつく。
「嫌っ! そんなの入るわけなッ……」
 五月蝿い、とでも言うかのように、触手の群れの中から透明な管状の触手が飛び出し、葵の口を塞いだ。管状触手もまた、先端から細い触手を伸ばし、自らを葵の口に固定する。
 葵が喋れなくなったのを確認するように一拍の呼吸を置いて、極太の触手の先端が開いた。
 中から出てくるのはそれこそ人間のペニスのような――それにしてはやや大きすぎるが――触手だった。その周りを一ミリ程度の、微細触手が囲んでいる。その触手の外皮ともいうべき部分が、葵の腰を覆う。
 これから何が起こるのかを理解した葵は全身でそれを拒絶しようとするが、術式による強化もない状態では拘束を解くどころか、身動き一つとれはしない。
「!」
 肉棒触手が葵の膣口を開き、挿入する。その感覚に葵は嫌悪感を抱くが、それは触手が入ってきたからではない。その感触を快感と感じてしまった自分に対する嫌悪感である。
 微細触手は淫核や菊門を巧みに刺激する。口を触手に塞がれていなければ、葵は甘い声を漏らしていたことだろう。
 膣内の肉棒触手が、突然振動を始める。それまでになかった感覚に、葵は今回最初の絶頂を味わう。しかし、葵が絶頂を迎えても触手の振動は止まらない。
 連続する振動と微細触手の愛撫によって、葵は幾度もの連続絶頂を受けていた。
 しばらく経って、触手の振動が止まる。
(もう終わり、なの?)
 心の中での呟きが、安堵の意味だったのか、それとも残念に思ってのものなのかは葵自身にも判断はつかなかった。
 しかし、葵の疑問に対する回答は否だった。
 それまで一切動かなかった管状触手が蠕動する。危機感を感じた葵は舌を使ってどうにか触手を引き剥がそうとするものの、意味はない。
 透明な管の中を青色の液体が流れてくるのを理解した瞬間、葵の口の中をその液体が満たした。
 味はないが、だからこそ逆に嫌悪感もなかった。無理矢理に流し込まれる液体を、葵は生存本能に従って嚥下していく。
 十秒ほど、それが続いたかと思うと液体の流出が止まる。
(今のは、何?)
 その疑問はすぐに氷解した。腰を覆っていた肉棒触手が動きを再開する。今度は振動ではなく、前後の動きで。
 触手のストロークは決して弱いものではない。むしろ、振動していたときよりも強い快楽を葵に与えてくる。にもかかわらず、葵は絶頂を迎えることが出来ない。その理由としては、先程の液体以外に考えられない。
(まさか、イけないっていうの?)
 恐怖。
 最早、触手に対する嫌悪感すらも忘れ去り、ただ絶頂を迎えられないという事実に対する恐怖を葵は感じていた。
 そう考える間も、肉棒触手は葵の子宮口を叩き、微細触手は淫核の愛撫を続ける。圧倒的な快感を与えられつつも、しかし葵は絶頂を得られない。
 十秒、五分、十分、そして一時間と、絶頂を迎えられないままに快楽を与えられ続ける。
(イキたい……)
 次第に、葵はそう思うようになっていった。
 葵は正義感が強く、術士としても優秀な少女である。だが、術士として有名だからといって、その精神が堅固なものであることには直結しない。精神の強さ自体は、普通の少女と変わらないのだ。
 更に二時間、五時間、十時間と、眠ることも気を失うことも出来ず延々と与えられる快感の暴力に、葵は今にも狂ってしまいそうになる。しかし、葵には発狂という逃げ道すら残されてはいない。
(イキたい! イキたいイキたいイキたいイキたい!)
 既に葵の思考を埋め尽くしているのは絶頂への渇望ただ一つ。それ以外のあらゆる思考は存在しない。
 そうしていると、再び管状触手が蠕動する。
 流れてきたのは赤い液体。
 葵が何を考えたのかはわからない。ただ、本能的に従って、しかし先程とは違い、己の欲求を叶えるために葵はその液体を全霊をもって飲み尽くした。
 瞬間。
 堰を切ったかのような途轍もない絶頂が、葵の身を襲った。
 あまりの快感に全てが塗りつぶされ、思考がスパークする。許容量を遥かに超える快感に、葵はこの上ない満足感と幸福感を感じながら、その意識を失った。
 その淫裂からは、愛液が止め処なく、歓喜の涙のように流れ続けていた。

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